将 門
■■住所 : 福岡市東区箱崎1-36-26
■■電話番号 : 092−633−4954
■■営業時間 : 18:00〜02:00(定休日:おかみさんの気分次第(!?))
九大生の飲み会の話に頻繁に登場するお店といえばココ!将門です。
それはもう講義中に先生から「昨日の夜はどこでなんしよった?」と聞かれた学生がマイクを使って堂々と「将門で酒飲んでました!」と答えるほど。
(九大出身の先生も「将門かぁ、俺も学生ん時よう行きよった!」。)
今回はそんな将門のおかみさんにじっくりお話を伺ってきました。
◇まずはお店の沿革やメニューなどから・・・
1993年12月9日に開店、以前は筥松郵便局の前にお店をかまえていたそう。某政治家を「あ〜○○ちゃん?来たよー」とチャン付けで呼ぶおかみさん、さすがです。
2006年にはおかみさんの息子さんが中洲川端に将門の2号店を開店。
こちらには博多はなまるさんもご来店♪
人気メニューはホルモン鉄板や焼き餃子、とりの唐揚中華風、チキチーズなど。
ホルモン鉄板
焼き餃子
チキチーズ
一押しメニューの軟骨(塩焼き)
最初は裏メニューだったもつちゃんぽんだが、学生に人気で「みんないっつも食べるけん裏でもなんでもなくなってからメニューに載せた」というエピソードもある。
もつちゃんぽん
またメニューはオープン当時からほとんど変わらず、昔も今も変わらない味を提供し続けてくれている。
そして全体的な価格の安さも学生(の懐)に優しい。
以前は伝説の(?)MDフェアというものも開催されていたらしい。
普通一杯290円のマグナムドライを一杯98円で提供するこのフェアは年2回。
1日15樽のMDが無くなったという人気ぶりで「めちゃくちゃお客さん来てくれた」。
■では九大生との関わりは?
昔はお客さんの約90%が九大生だったという将門も、九大の移転が進む現在は九大生の占める割合が60%ほどに減少、その30%はやはり理系学生とりわけ工学部の学生だという。もともと工学部の学生がよく利用していたという店だけに、移転後はかなり影響を感じるようだ。
おかみさん曰く「一般のお客さんは増えたけど、や〜っぱりそれ以上に九大生が減ったけんねぇ」。
今は農学部・医学部・歯学部の学生やサークル・ゼミなどの団体がよく来てくれると話してくれた。
最近の特徴は女の子だけで飲みにくる子が増えたこと。
店主が女性ということもあり、確かに女の子が通いやすい雰囲気がある。
将門のおかみさん
2階座敷席
将門の魅力はメニューや安さだけではない。そこで働く人々の温かさも親しみやすさに一役かっている。
そんな将門のアルバイトの80%は代々九大生だという。
アルバイト学生の友達が客として通いつめることも少なくないというが、そんなアルバイト学生についておかみさんが教えてくれた。
「うちで働きよった女の子(バイト)とお客さん(工学部生)で恋に落ちてから付き合った子もおるよ〜。もう今は結婚までしてからね〜。」
そして、厨房で動き回る従業員をじっと見ながら「バイトの子と長〜く付き合いよらす従業員もおるしねぇ〜!?」。
そういってまるで自分の子どもの話をするかのようにあったかい笑顔を浮かべるおかみさんを見て、『あ〜やっぱりこれがお客さんにとって一番の将門の魅力なんやろうな〜』と感じた。
■九大生の変化を感じること
「20年くらい前の九大生はみんなお金がないけん誰か(先輩や助手など)についてお店に来てはここぞとばかりに飲んだり食べたりしよったね」お金のない学生がある日お店に小さな瓶を持ってきて「これここに置かせて」と頼んできたという。
みると“ごはんですよ”。
その後しばらくお店に来ては白ご飯だけを注文し、“ごはんですよ”をおかずに食べていた。
「昔の九学生はほんとみんなお金なかったけんね」
時には「カレー作ったけん食べなさい」と温かいカレーを出してやったこともあった。
「最近の学生は逆に横のつながり(友達同士)で来ることが多いよ、サークルとかね。先生と来るってゆったらゼミの飲み会とかくらいやもんね」
でもやはり昔も今も変わらず「うるさい!(笑)」。
あるとき、酔っ払った九大生が2階のトイレで倒れこみ、それを助けようと別の学生が抱き起こそうとしたことがあった。
しかし倒れた学生は「ものすっごく体が大きくて」、助けようとした学生は結局彼の下敷きになって腰を打ち、動けない状態に。
心配した人が救急車を呼び、サイレンを鳴らして駆けつけた救急隊員が彼らを運ぼうとするもやはり体が大きくて断念、なにを思ったかレスキュー隊に応援を要請。
再び大きなサイレンとともに2台のレスキュー隊がかけつけるという大事態になった。
おかみさんは「あの時は周辺の住民や店に迷惑がかかるとアタフタしたよー。あれはえらい記憶に残る事件やった」と振り返る。
色んな思い出話を聞くうちに私が「ご迷惑おかけしました」と謝りたくなるほど今まで多くの九大生がお世話になっていた。
「それでもやっぱり、昔も今もみんなかわいい」と言ってくれるおかみさん。
「親元を離れて九大に来とる学生が多いけんね、みんな『おばちゃん、おばちゃん』って親しくしてくれて、そんなふうに言われたらもうなんでもかわいくてね」
部活・サークル・研究室・クラス会・卒業記念などなど。店内に数多く飾られた写真付き色紙には多くの九大生が登場し、お店と九大生との絆を感じさせる
■感じる九大生との絆
そうやってかわいがってもらった学生たちも次々と巣立って行き、今では社会人である。首都圏で働く人が多く、もちろん学生時代のようにお店にやってくることはない。
しかし、何年も前に卒業した元九大生たちは将門に「帰ってきてくれる」。
東京や大阪などで活躍している卒業生たちが同窓会をわざわざ“箱崎の将門で”開いてくれたのだという。
「嬉しかったねぇ」
伊都キャンパスに移った工学部の学生たちも例外ではない。
箱崎に来る用事はほとんどないけれど、それでもやっぱり将門で飲みたいとそれだけの為に時間を見つけては友人や後輩を連れて足を運ぶ学生もいる。
■九大移転・今後について
九大移転によって学生は減ったが「でもしょうがないことだから」単身赴任者など社会人をとりこむ工夫を行っている。九大生から伊都に来て欲しいという強い要望があり、伊都の土地も視察しにいったが店を建ててはいけない農業用地が多いこともあり移動は無理だと判断。
ではこれからも箱崎でずっと続けていくのか?という質問に、「そんなに長くするつもりもないねー、歳やしね。もしその時に誰かやりたいって人がおれば譲ってもいいかなとは思うけど、もうねー。」
以前も数名の卒業生に「絶対やめんで欲しいけど、もしも閉めることがあったら一番に教えて。絶対駆けつけるけん。」と言われたことがある。
しかし、おかみさんは「やめる時は静かにやめたいと。知らせてみんながわーって来てくれるとね、やっぱりね。もしそうなったら風の噂で聞いてくれるといいなって思う。」と話してくれた。
今回のインタビューを通して、就職や移転によって箱崎に残る人が減っても、それでもお店と学生との絆はしっかり残っているということを痛感しました。
お忙しい中、たくさんの思い出を聞かせていただき、本当にありがとうございました。
いつまでも「風の噂」を聞くことのないよう、これからも応援し続けます。
お忙しい中、たくさんの思い出を聞かせていただき、本当にありがとうございました。
いつまでも「風の噂」を聞くことのないよう、これからも応援し続けます。