む つ の 木

正門から信号を二つ渡って右にあるいていると、おしゃれな洋食屋さんに行き着く。六本松ではちょっとめずらしい、おしゃれで学生の好きなハンバーグやステーキが食べられるお店だ。

バス通りに面したお店

加来義昭さん

■お店について
 創業は昭和55年。初めからランチなどを出す洋食屋さんだったそうだ。店長の加来義昭さんは、生まれも六本松で、24歳のときに一人でお店を始められた。創業時からずっと、九大生からバイトを雇っている。
■初めは学生が少なかった
 昔は内装が違った。カウンター席が15席ほどあり、奥も15席ほどある個室だったそうだ。「初めは小洒落た九大生が来る感じで、学生は来づらかったようでした。でも『みんなが来れば怖くない』精神でたくさん来るようになりました。」今では洋食屋は当たり前だが、昔はおしゃれで入りにくいお店だったんだろうなぁ。

■新歓の時期は…
 「4月はめちゃくちゃ来てました。『今から20人来ます』って電話が掛かってきたりしていました。お店が他のお客さんでいっぱいのときも、『外で待ってます』って言われたこともありましたよ。そんな時は、『食事ですか?喫茶ですか?』って外で注文を聞いて準備していました。」
■高いもの頼んだら…
 「4月には部活生がたくさん来ていたんですけれど、サーロインやひれを頼む一年生がいると、『もう少し先輩のこと考えて安いもの頼めよぉ』と思っていました。(笑)その辺は商売気がないので。出すときに顔を見て、この子たちかぁと思っていましたよ。(笑)」

■九大生へのメッセージ

 いい学生がいるのは間違いない。良識のある子が多いし、バイト生は仕事もよくしてくれました。そのまま伸びてほしいって思います。
がんじがらめの勉強だけじゃなくて、遊ぶことも大事。飲んだり食事したりしながら、語り合う場所は必要です。良いところで(お店を)できましたよ。いい思い出です。
■一代で…

 「私一代で終わります。誰かに継がせても味が変わってしまいますしねぇ…。」


なくなっていくものは六本松キャンパスだけでない。なくなるのは特別でない。加来さんとお話ししていて、そう感じました。「カウンター席がないから、学生と長く話すってことはあまりなかったんですよ。」そう話されつつも、温かく見守ってくださっていたんだなぁとお話を聞きながら感じました。今まで優しく見守ってくださってありがとうございました。

▲ ページのトップへ戻る

(C)2008 箱崎九大記憶保存会