さ く ら

さくらは六本松キャンパス正門から出てすぐのところにある、お好み焼き屋である。比較的新しい店だが、入りやすいお店の雰囲気とボリューム満点のメニューで、昼も夜も多くの学生が利用している。ご主人の秋元薫(60)さんにお話を伺った。

■お店の沿革
さくらは関西出身のご主人が2000年に開店した。店名の「さくら」は子どもにも覚えやすい名前ということで、花の名前をつけようと思ったことがはじまりだそうだ。初めは「カシミール」などのおしゃれな名前も検討していたが、覚えにくいということで現在の名前に落ち着いた。後に近くに桜坂があることも知り、ますます店名がふさわしいものだと確信したそうだ。
■キープボトル
店に入るとすぐ右にお酒のキープ棚が置かれている。現在キープは250本ほどあるそうだ。開店当初、アルコール飲料はビールしか置いていなかったそうだが、今では焼酎などの酒も置いている。キープは次来たときのためにずっと置いておいてあげようというご主人の意向で、3年くらいは置いてあるそうだ。
■九大生との思い出
お好み焼きはB級グルメで、値段も高くないし、お腹いっぱいになる。その上さくらでは若い子がお腹いっぱいになるように、大盛も自由にしている。トッピングも150種類ほど用意しており、お客が好みに合わせて選べるようにしている。一番人気は豚肉だが、お腹を空かせた学生の中にはお好み焼き大盛りに「ごはん」「そば」のトッピングを注文して、ものすごい量になったお好み焼きを完食するつわものもいるという。ご主人は「普通トッピングにご飯なんかないもんね。でもご飯は安いし、おにぎりとかで毎日食べるものだから、トッピングに加えてみたんですよ。でも女の子じゃ絶対無理と思いますよ。食べてる人を見て、よく食べれると思いますよ。でもこれを注文した学生が、お腹いっぱいになって帰っていくのを見ると、本当にうれしい。」「お好み焼きって安いじゃない、だから学生が小銭を何とかやりくりして食べに来てくれるんですよ。普通そういうのを見るとかわいそうに感じるんだろうけど、私は温かい気持ちになるんです。小銭を勘定して、お好み焼きを食べたことがいい思い出になると思うんです。」と笑って話した。
お客さんの多くが九大生というさくらには、新入生歓迎のシーズンになるとたくさんの部活生が訪れ、1日150人ほどのお客さんで賑わうという。ご主人はできるだけ早く店を回転させようと努力しているそうだが、時にはお客がいっぱいで「ごめん悪いけど。」と言って入店を断らなければならないこともあるそうだ。そんな時も九大生はいやな顔をせずに「わかりました。」と、協力してくれるという。
昔ご主人はジャズでご飯を食べていた時があったそうだ。その影響もあってか、ロックやジャズ研の学生がよく利用するという。またバイトとしても数多くの九大生がさくらにお世話になっているという。他大生や専門学生のバイトもいるが、やはり九大生は優秀だと話してくれた。時には開店当初に学生だった人が立派になってお店を訪れてくれてくれることがあるそうで、うれしいことだと話してくれた。

■九大生の変化
「今の九大生はおとなしいと思いますよ。時代のせいですかね。ほかの店の話では、昔はすごい時もあったって聞きましたよ。ここに来る学生さんはみんな行儀がいいですから。」
■移転
ご主人は「さみしいけど希望もあるよ。」と、六本松キャンパスがなくなることへの寂しさと、なくなった後の街の再生への期待を語り、「六本松キャンパスがなくなっても、街はまた生まれ変わる。ただ商売がうまくいくかはわからんけどね。」と付け加えた。六本松キャンパスが移転したら、営業時間やメニューの変更を検討しているという。
■九大生へのメッセージ
さくらのことをを忘れずに、立派になって戻ってきてください。


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(C)2008 箱崎九大記憶保存会