天国ラーメン
■住所 : 福岡市中央区谷2丁目12−16
■電話番号 : 092−731−4352
■定休日 : 水曜日
■営業時間 : 平日・土曜日 18:00〜1:00 日曜・祝日  18:00〜24:00

■お店の沿革
 創業は34年、この店を切り盛りするのは75歳のお母さんとその娘さんの2人だ。お母さんは今年でなんと75歳らしいが本当に若々しく、その若さの秘訣は「このお店で毎日働くこと」と語る。もともとこの天国ラーメンはお母さんの知り合いがやっていたのを引き継いだ形で、娘さんも10年ぐらい前からこのお店を手伝い始めた。  「昔は学生も多かったけど今はもうほとんど見えないね。」とお母さん。10年近く前からほとんど学生客がいなくなって今でお客さんの多くがサラリーマンになってしまったらしい。お客さんが店にやってくると「あら○○さん。」とほとんどのお客さんが常連さんらしく親しく会話を交わし、できたての料理で温かくもてなしていた。店内は全部で7〜8席ぐらいで決して広いとはいえないが、それもまた非常にアットホームで落ち着いた空間を作り出している。
■メニュー
 「この店のお客さんはほとんど毎日来るから、メニューも毎日変えてるのよ。家族と同じね。自分の息子に出せないものはおいてません。」と娘さん。娘さんが店を手伝い始める前はラーメンと酒ぐらいだったが、今ではメニューも豊富でお客さんを飽きさせない。
 このお店の屋号「天国ラーメン」から想像するとメニューは一般的なラーメン屋にあるものと思いがちだがここは違う。ほとんどのお客さんが来たらお酒を飲んで行かれるので居酒屋も顔負けのおつまみの数。もちろんラーメンも最高だが、他にも焼き魚やチンゲンサイの炒め物、おでんや娘さん自慢の麻婆豆腐などバラエティーに富んだメニューが並ぶ。味も抜群でどこか懐かしいおふくろの味である。
■学生との絆、学生の変化
 「今でもお付き合いがあるのは青空料理クラブの人たちぐらいだね。」最近ではほとんど学生が来なくなった中、青空料理クラブとはもう10年来の付き合いで、顔や電話番号も覚えている仲だそうだ。特に学祭時には打ち上げのあとみんなで天国ラーメンを訪れてラーメンを食べていき、お母さんいわくこの日が一番ラーメンが売れる日だという。
 また学生の変化に関しては「昔と今の学生では全然違うわ。特に昔と比べて今の学生はサラリーマンにかわいがられなくなったね。」と指摘する。昔の学生はお金をあまり持っていなかったり、他のお客さんとコミュニケーションをとっていたこともあり、店で初めてあったサラリーマンなどにご飯やお酒をよく御馳走になっていたそうだが、今の学生はお金も持っているし、あまり他のお客さんとも会話しなくなりそういうこともめっきりなくなったという。「本当に時代の流れを感じるわね。」お母さんは寂しそうにぽつりとこう漏らした。
■移転について
 移転に関しては「仕方ないことだけど、(六本松キャンパスは)昔からそこにあって当然のものなのでそれがなくなるのは寂しいね。」と感慨深いものがあるようだ。「でも学生は勉強することが一番だから、もっと環境がいい伊都で勉強できる点は学生にとってはいいことだね。」と娘さん。天国ラーメンさんの客層から売り上げへの影響は少ないが、やはり九大生とのいろんな思い出が詰まったキャンパスが移転してしまうのは寂しいようだ。  「九大生との思い出は一言じゃ言い尽くせないけど、一生懸命勉強して社会のために活躍してください。」

 今では学生はほとんど来ないという天国ラーメンさん。しかしお話を聞くと九大生との絆は深く、今でも在学中に天国ラーメンさんにお世話になった卒業生が、時々店の中をのぞいて女将さんが元気か気に掛ける人もいるという。女将さんは大学に入って親元から離れた学生にとっての「親代わり」的な存在であったに違いない。そんな私たち学生を支えてくださった人たちのために、今後社会に出るときに備えて今は一生懸命勉強しなければとやる気がわく。また六本松に来た際はお母さんと娘さんに会いに天国ラーメンさんによらせていただくので、いつまでも元気に頑張ってください。

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(C)2008 箱崎九大記憶保存会