多 津 田
■■住所 : 〒810‐0044 福岡市中央区六本松4丁目7−3
■■電話番号 : 092-771-4023
■■営業時間 : 10:30〜10:00(定休日:日曜日)
厨房に立つ大将
店の佇まいも、お店の中も、昔ながらのあったかい雰囲気の漂うお店です。
昭和37年から営業している、六本松で一番古い定食屋の「多津田」。お昼の時間になると、お店の外まで列が続いています。大将は、35歳の時にこのお店をお継ぎになったとか。
20年くらい前までは六本松にもたくさんお店はあったが、だんだんとなくなってきてしまったそうです。
■九大生との思い出
「九大生との思い出話?…そんなものは、ないよ」唐突にそう言われて、驚きました。けれど、
「もう、うちは何十年もやってきてるから、思い出話なんてたくさんありすぎて、ひとことじゃ言えないから」
これまで多くの九大生と出会ってきたからこそ、どれを話していいか分からない、語りきれないたくさんの思い出があるのだと、そう静かに答えられました。
ホルモン焼き定食
山盛り!ご飯
豚みそ定食
焼肉定食
大将の印象に残っているのは、当時のお店での派閥闘争。決して違う派閥同士が同じ時間帯に食事を取ることはなく、席を入れ替わるときですら、互いを牽制しあっていたと言います。
お店を贔屓にしてくださっている卒業生は、全部で何十万人もいるそうで、OBの方々の訪問はやはり嬉しいものだそうです。新入生と、昔常連さんだったお母さんが一緒に来店されて、「よろしくお願いします」と挨拶して行かれたというエピソードに、多津田は世代を超えて多くの人々に親しまれているのだと、しみじみと実感しました。
■九大の移転に関して
「移転するのはやっぱり寂しい。地域の人も他のお店の人もそう思っているんじゃないかな・・・。でも仕方がない・・・。」
大学に通って来ていた人の記憶の中には残るだろうけど、やっぱり自然と忘れられていくものだろう。時代の流れだから、それは仕方がない、と話されました。
移転になって、一番影響があるのは生徒たち。場所の問題等で、万が一若者が他大学に移ってしまった場合、九大のレベルが下がってしまう可能性もある。新しく入学する人たちが心配だ、と話してくださった。
その言葉には、私たち学生以上に学生たちのことを考えてくださっているのだと感じ、ありがたく思うと同時に、反省させられる思いがしました。
もっと思い出を聞かせてくださいと私たちが駄々をこね、大将が苦笑しながら首を横に振る。何度も繰り返されたこのやりとりの中で、大将は繰り返しこう言われました。
「ただひとつ言えるのは、うちは九大生と共に生きて、九大生と共に死んでいく。それだけだよ」