天 野 屋
◇お店の沿革
武さん、政子さんご夫妻
■学生との思い出
開店当時、店は学生客でにぎわっていたそうだ。特に医学部・歯学部・農学部の学生はよく店を訪れ、元気のいい姿を見せていた。数日前も卒業生が来店していて、ご主人は「懐かしいね、懐かしい。」と当時のことを振り返った。10年ほど前から学生客がめっきり減ってしまった天野屋。奥さんは「最近は学生が来ない。寂しいですよ。楽しかったですもん。」と語った。天野屋ノート
ノートの中には恋愛や進路やバイトなど、様々なことを考え悩みながらも成長していく学生の様子が記録されている。ノートは店に置いておくだけで、誰かがちらちら見ていたそうだが、今ではノートに何かメッセージを残す人がいなくなったということで、表に出てはいない。しかし、そのノートはご夫婦によって今も大切に保存されている。
今は一階のカウンター席だけで営業している天野屋だが、昔は二階もあり、そこにカラオケを置いていたそうだ。すると学生は長淵剛の『乾杯』や森田公一とトップギャランの『青春時代』は必ず歌って帰っていたという。また、今となっては考えられないが、500円玉を持ってきて、「飲ませてください。」と言ってくる学生もいたという。昔は焼酎が180円(今は250円)だったので、それを飲ませていたそうだ。さらに、久留米からの部活帰りにも学生が店に寄ってくれていたという。その時は店に客がいっぱいだったのだが、その学生は帰らずにずっと外で待っていてくれたそうだ。